加熱調理によって、酵素が無くなることは何度も述べました
が、この酵素を失った脂肪は、胃の中で2、3時間も事前消化
されずに放置されることにより、胃・腸のトラブルの原因にな
っています。
胃の中で、タンパク質や炭水化物が、唾液に含まれる酵素のア
ミラーゼやペプシンにより事前消化されている間、酵素を含ま
ない脂肪は、事前消化が進みません。
それだけでなく、消化や体内での代謝がうまくいきません。
酵素を含む脂肪(つまり生の脂肪)は、胃の上部(食物酵素
胃)で事前消化されます。
このことは、野生の動物の胃の中では通常に行われていること
であり、人間の場合も、調理法が進歩する前は、野生の動物と
同じような状況であり、当時の人たちには心臓病がありません
でした。
伝統的なエスキモーの食事は、ほとんどが生の肉と魚ですが、
1926年に北極探検隊に同行したウィリアム・A・トーマス
博士は、エスキモーに腎臓や心臓・血管に以上のある人は一人
もいなかったと報告しています。
伝統的な食事を捨て、白人と同じように、加工された食品を食
べているエスキモーには、さまざまな病気が病気が発生するよ
うになりました。